1 ワーディング
(1) 「あなたは、いつも野外で活動しますか」
→あいまいな言葉は使わない「いつも」「普通」「たびたび」など
(2) 「職員やボランティアスタッフの対応はどうでしたか」
→2つの質問は一緒にしない、どちらに対しての答えかわからない
(3) 「学校教育の総合学習の中で環境を取り上げることが多いですが、あなたはどう思いますか」
→回答者が認識している事柄を扱う事、分からなくても答えようとします。まずは「聞いた
ことがあるか」等の質問をする
(4) 「環境教育は自然への気づきを目的にしています。あなたはそれを感じるられましたか」
→誘導的な質問になってしまっている。この場合は目的を直接聞く方が良い。
２ クロス集計や相関の検定
単純集計だけではわからない色々な発見がある。
(1) 初めての参加者と何回もの参加者に分けた。食事に対する不満は全体の３割であったが、不満を
述べたのはすべて初めて参加者であった。
→何回もの参加者は現在の食事に慣れている可能性。よって、数字以上に食事の満足度が低く重
要な問題との認識の必要性。
(2) 伝承遊びとして、こままわし、はねつき、めんこ、かみてっぽう、おてだま等おこなった。全体
としてははねつきが人気だった。しかし、男の子､女の子に分けたら男の子には人気がなかった
→男女の差がわかり、参加者層に合わせて内容を変更した方がニーズに合致している。
(3) 相関の検定具体例
カイ２乗検定･･･ふたつの事象について独立か相関があるかを検定する。ここではわかりやすい２
×２で説明します。実際は見ただけではわからない数字の結果も導きます。
①事業に対して満足しているものが多かった。その他に何かわらないだろうか？
χ２＝26.86 χ２＝3.84以上で相関あり
ν＝1（自由度）α＝0.05（優位水準）
→参加回数とマイナス評価は相関がある。よって、事業のマンネリ化の可能性がある
②また来たいが多かった。もっと来てもらうために内容を検討した。それだけで充分？
χ２＝6.02 χ２＝3.84以上で相関あり
α＝0.05（有位水準）ν＝1（自由度）
→交通機関と再参加意思は相関がある。よって、公共交通機関でもより行きやすい等開催場所
の検討も必要である。
＊有意水準･･･仮説か正しいということを棄却する確率。つまり0.05は5％相関がないということなの
で95％相関があるということ。
＊自由度･･･データに関する計算式の示す値を固定した場合，その他に自由にとり得るデータの個
数のこと。表では（行数－１）×（列数－１）と考えます。
３ その他
(1) 質問は答えやすいものから配列していきます。
(2) 自由回答法（文章で書く部分）も併用して分析結果の理由を考える。
(3) 事業そのものだけでなく参加者の背景も聞いてみる
「家族でどこに出かけますか」→広報場所の参考になる
(4）参加理由から広報の情報を考える
「太極拳講座に参加した理由は何ですか」 回答「腰によいから」「運動が苦手」
→医療機関が広報場所にあがる。ｷｬｯﾁｺﾋﾟｰｺﾋﾟｰのヒント「運動が苦手でも平気！」
（5）子どもの意見も聞きたい。
子供と大人では視点が違います。子供用アンケートや子供に聞く部分も入れる。特に親子対象の
場合、参加者は概して子どもの方が多い。
＊社会調査などの本を一冊は読んで実施しましょう。
＊アンケートは質問紙法の一つでしかありません。もっと深く知りたい時はインタビュー方式や主催者や参加者でもない人に協力を依頼し、その事業を見てもらい感想や評価をしてもらうとより良い事業や講座が可能になります。
